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INTRODUCTION
ISの人質となった若き写真家と
救出のために奔走した家族の感動の実話!

戦争の中の日常を撮影し、世界に伝えたい──。そんな熱い思いを抱いて内戦中のシリアに渡った若き写真家が、突然誘拐された。拷問と飢えに苦しみ、恐怖と不安に苛まれる地獄の日々を彼はいかにして耐え抜いたのか? そして、それまでごく普通の生活を営んでいた家族は、愛する彼を救出するために、到底不可能とも思える方法をいかにして実践したのか?

24歳だった2013年5月から翌2014年6月まで、398日間にわたってシリアで過激派組織IS(イスラム国)の人質となり、奇跡的に生還を果たしたデンマーク人の写真家ダニエル・リューの衝撃の実話が映画化された。 これは、ダニエルの過酷な体験と、決して諦めなかった家族の奔走を描いたスリリングにして感動的な物語であり、ISの真実を人質の視点で内側から初めて本格的に描いた映画でもある。また、知られざる人質救出の専門家の活躍ぶりも見逃せない。

生と死の狭間で育まれる人質同士の友情、
浮かび上がる人間の尊厳

ダニエルは国の代表チームに選ばれたエリート体操選手だったが、怪我による挫折を経て、写真家として新たにスタート。仕事を通じて世界をより良くしたいと願っていた。だが、折しもシリアでは情勢が刻々と変化し、イスラム過激派の新興勢力が手を組んで一大組織を設立しようとしていた。資金調達のための誘拐ビジネスも活発化し、ダニエルのような駆け出しの若者だけではなくベテランのジャーナリストも拘束されていたのだ。

ダニエルが出会う他の人質たちの心情も繊細に描かれている。身代金と引き換えに無事解放される者がいる一方で、自国の政府の方針などによって解放の見込みがほとんどなく、死の恐怖と必死で闘っている者もいる。そんな生死の狭間で育まれるダニエルとアメリカ人ジャーナリスト、ジェームズ・フォーリーとの友情が心に残る。自らの運命を悟りながらも常にユーモアを忘れないジェームズが、「ヤツらの憎悪に負けたくない。僕の心にあるのは愛だけだ」と語るシーンからは、人間の尊厳と〈愛〉というテーマが浮かび上がってくる。

『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』の
ニールス・アルデン・オプレヴ監督最新作

監督は、大ヒット作『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』(09)で世界的に知られるデンマーク出身のニールス・アルデン・オプレヴ。共同監督を『幸せになるためのイタリア語講座』(00)などで知られる俳優で本作でも人質救出の専門家という重要な役を演じているアナス・W・ベアテルセンが務めている。原作は、ジャーナリストのプク・ダムスゴーがダニエル・リューと関係者に取材して書き上げた「ISの人質 13カ月の拘束、そして生還」(光文社新書刊)。脚本は、『ダークタワー』(17)など多くの作品を手がけ、監督としても活躍しているアナス・トマス・イェンセンが担当した。

主演は、2017年ベルリン国際映画祭シューティング・スター賞に輝き、『幸せな男、ペア』(18)などに出演しているデンマークの俳優エスベン・スメド。彼は体操選手の肉体を作るためにジムでトレーニングをするとともに、人質のシーンのためには8キロも減量。さらにダニエル・リュー本人と何度も会って話を聞いたり人柄に触れたりして役作りをし、難役を見事に演じ切った。ジェームズ役には『猿の惑星:新世紀(ライジング)』(14)、『ファンタスティック・フォー』(15)のトビー・ケベル。そのほか、デンマークを代表するキャストとスタッフが集結し、実力を発揮している。

ISなどの過激派組織による誘拐は、日本に暮らす私たちにとっても他人事ではない。危険な紛争地域へ行き、真実を発信してくれる写真家やジャーナリストの活動がいかに尊いものであるかを、本作は改めて思い出させてくれる。

STORY

ダニエル・リューは、デンマーク体操チームのメンバーだったが負傷して選手生命を絶たれたため、ずっと夢だった写真家になることを決意。コペンハーゲンで恋人シーネとの新生活も始めた。戦場カメラマンの助手として訪れたソマリアで、サッカーをする子供たちの生き生きとした表情をカメラで捉えたとき、ダニエルは戦争の中の日常を記録することこそ自分のやりたいことだと確信。そのための撮影旅行先として選んだのは、シリアだった。

戦闘地域へは行かないと聞き、家族は安心してダニエルを送り出した。だが、トルコとの国境付近の町アザズで撮影中、ダニエルは突然、男たちに拉致された。同行のガイドが用意した自由シリア軍の許可証も警護の兵士も役に立たなかった。支配勢力が替わったのだ。アレッポへ移送され、拷問されたダニエルは、一度は高い窓から飛び下りて逃げたものの住民に通報され、連れ戻されてしまう。

ダニエルが予定の便で帰国しなかったため、家族は彼が置いていった連絡先に電話をかけた。人質救出の専門家、アートゥアだ。捜索を始めたアートゥアは誘拐犯を突き止め、その男、アブ・スハイブに接触した。要求された身代金は70万ドル。テロリストと交渉しない方針のデンマーク政府からは支援を期待できないため、家族が全額用意するしかない。

ダニエルはさらにラッカへ移送された。そこには様々な国のジャーナリストや支援活動家が拘束されていた。体調を崩していたダニエルは、ふたりのフランス人に親切にしてもらう。監視役の覆面のイギリス人4人を、人質たちはビートルズと呼んでいたが、狂暴な4人の中でも “ジョン”が最悪だという。

家族は犯人側から送られてきたダニエルの写真を見て、変わり果てた姿に衝撃を受けた。家を担保にするなどしても、やっと25万ドルしか用意できなかった家族は、やむなくその金額を提示した。すると犯人側は激怒し、身代金を一気に200万ユーロに引き上げてきた。怒りはダニエルにも向けられた。殺された人質の遺体を前に、天井から吊るされて鞭打たれたダニエルは、苦痛と絶望から自殺を図ったが、一命を取りとめた。

200万ユーロを用意するため、姉アニタの提案で、家族は募金活動を開始。マスコミに知られず、しかも違法にならない方法でデンマーク中の企業や団体に協力を求めていく。

ダニエルたちのもとに、新たにジェームズ・フォーリーという人質が加わった。実はアートゥアが以前から捜していたアメリカ人ジャーナリストだ。明るく前向きなジェームズは、みんなのために服や薬を要求し、屈辱的なロバの真似を強いられているダニエルには、拒否するようアドバイス。ダニエルは、「旅をして現地の様子を伝えることが生きがいだ」と語るジェームズと意気投合する。

アートゥアは、シリア人協力者を通じてダニエルの生存を現地で確認し、収容先も特定。その後、ジェームズもそこにいることを知った。だが、その情報を共有したアメリカ軍が急襲する直前に、犯人側はそこを引き払ってしまう。
ダニエルたちはオレンジ色の囚人服に着替えさせられ、砂漠に掘られた穴の前に並ばされた。穴の中には、食事中に騒ぎを起こしたコソボ出身のアレクセイがいた。“ジョン”はアレクセイを射殺すると、恐怖に震えるダニエルを遺体のそばに座らせ、撮影用のメッセージを掲げさせた。「48時間以内に200万ユーロを払え」と。

厳しい要求を突き付けられ、絶望しそうになる家族。そんな中、母スサネはある人物に一縷の望みをかける。果たして家族は目標額を達成できるのか? ダニエルの、そしてジェームズら他の人質たちの運命は……?